## ベーコンのノヴム・オルガヌムの仕組み
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「イドラ」と「洞窟」「市場」「劇場」
ベーコンは、人間の認識を誤らせる原因として「イドラ」を挙げ、
それを「洞窟」「市場」「劇場」の4種類に分類しました。
* **イドラ tribus(種族のイドラ)**: 人間の本性に由来する誤謬。
* **イドラ specus(洞窟のイドラ)**: 個人の経験や知識、偏見に由来する誤謬。
* **イドラ fori(市場のイドラ)**: 言語の不完全さや曖昧さに由来する誤謬。
* **イドラ theatri(劇場のイドラ)**: 過去の哲学や学説の誤った権威に由来する誤謬。
ベーコンは、これらのイドラが人間の認識を歪ませ、
真実に到達することを妨げていると考えました。
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帰納法と「経験」
ベーコンは、真実に到達するためには、
偏見や先入観を排し、経験に基づいた方法、
すなわち「帰納法」を用いるべきだと主張しました。
帰納法とは、多数の個別具体的な事例を観察し、
そこから共通する法則や原理を導き出す推論方法です。
ベーコンは、帰納法を用いることで、
イドラの影響を排除し、客観的な真実に近づけると考えました。
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「表」による整理
ベーコンは、帰納法を行う際に、「表」を用いることを提唱しました。
* **存在と出現の表**: ある現象が現れる場合と現れない場合を
すべて記録し、比較することで、
その現象の原因や法則を明らかにします。
* **差異の表**: ある現象に差異がある場合、
その差異を生み出す原因を特定することで、
より精度の高い法則を発見します。
これらの表を用いることで、
経験から得られた情報を整理し、
より確実な帰納的推論が可能になるとベーコンは考えました。
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