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ベルクソンの創造的進化の対極

## ベルクソンの創造的進化の対極

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ダーウィンの「種の起源」

ベルクソンの「創造的進化」は、生命の進化を機械論的な自然淘汰ではなく、内的衝動である「生の躍動(elan vital)」による創造的なものと捉えました。このベルクソンの思想の対極に位置する歴史的名著として、まず挙げられるのはチャールズ・ダーウィンの「種の起源」でしょう。

ダーウィンは「種の起源」において、自然選択説に基づいた進化論を体系的に提示しました。自然選択説は、生物が生存競争や環境への適応を通じて、世代を超えて徐々に変化していく過程を説明するものです。

ベルクソンが「生の躍動」という非物質的な力を進化の原動力としたのに対し、ダーウィンは自然選択という、あくまで物質世界の法則に基づいたメカニズムで進化を説明しました。これはベルクソンの生命観と根本的に対立するものです。

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ラプラスの「確率の解析的理論」

「創造的進化」は、未来は開かれており、予測不可能なものであるという立場をとっています。これは、未来は過去の出来事によって決定されているという決定論的な世界観と対立します。

この決定論的な世界観を代表する著作の一つに、ピエール=シモン・ラプラスの「確率の解析的理論」があります。ラプラスは、宇宙のあらゆる出来事は、過去の状態と自然法則によって決定されていると主張しました。

ラプラスは、もしも宇宙の全ての粒子の位置と運動量を知ることができる「知性」が存在すれば、未来の出来事も全て計算できるだろうと述べました。これは、ベルクソンの「生の躍動」による予測不可能な進化という考えとは相容れないものです。

これらの著作は、「創造的進化」が批判を向けた、機械論的な世界観や決定論的な歴史観を代表するものであり、ベルクソンの思想の対極に位置するものと言えるでしょう。

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