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ベネディクトの文化の型の表象

## ベネディクトの文化の型の表象

文化を人格にたとえる表現

ルース・ベネディクトは、その代表作『文化の型』において、文化をひとつの「人格」にたとえる表現を用いました。これは、一見すると多様に見える文化も、その根底には一定のパターンや傾向が存在し、それらが全体として調和のとれた一つの個性を形成しているという考え方です。

アポロ型とディオニュソス型

ベネディクトは、具体的な文化の型として、プエブロ・インディアンの文化を「アポロ型」、ドーブー族の文化を「ディオニュソス型」と名付けました。

アポロ型

アポロ型は、ギリシャ神話の太陽神アポロンにちなんで名付けられました。アポロンが秩序や理性、調和を象徴するように、アポロ型の文化は、穏健さ、自制心、協調性を重視し、過度な感情表現や個人主義的な行動を抑制する傾向があります。

ディオニュソス型

一方、ディオニュソス型は、ギリシャ神話の酒神ディオニュソスにちなんで名付けられました。ディオニュソスが陶酔や狂乱を象徴するように、ディオニュソス型の文化は、感情の激しさや恍惚状態、超自然的な力との繋がりを重視し、個人の情熱や欲望を解放することに価値を置く傾向があります。

文化の相対性

ベネディクトは、アポロ型とディオニュソス型という対比を通して、文化の多様性と相対性を示そうとしました。つまり、ある文化においては正常とされる行動が、別の文化においては異常とみなされる可能性があり、文化の優劣を普遍的な基準で判断することはできないということです。

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