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ベネディクトの文化の型の原点

ベネディクトの文化の型の原点

文化の型 – 文化相対主義を人類学の中心に据えた画期的な書

ルース・ベネディクトの主著『文化の型』 (Patterns of Culture) は、1934年に初めて出版されました。この本は、文化人類学における古典として広く認められており、文化相対主義の概念を一般に広めた画期的な作品として評価されています。

ベネディクトの学問的背景と文化の型の着想

ベネディクトは、フランツ・ボアズの指導の下、コロンビア大学で人類学を学びました。ボアズは、19世紀後半から20世紀初頭にかけてアメリカの人類学を牽引した人物であり、歴史的特殊主義と呼ばれる学派を確立しました。歴史的特殊主義は、それぞれの文化は、独自の歷史的背景と環境の中で発展してきたものであり、普遍的な尺度で比較したり、優劣を判断したりすることはできないという立場をとります。ベネディクトはボアズの思想に深く影響を受け、文化相対主義の概念を発展させました。

文化の型の着想に至るまでのベネディクトの研究

ベネディクトは、文化の型という概念に至るまでに、様々な文化圏に関する研究を行いました。特に、アメリカ先住民のプエブロ族、ニューギニア島のドーブー族、メラネシアのクヌ族という、それぞれ大きく異なる文化を持つ3つの民族に関する民族誌的研究は、『文化の型』の中核をなすものとなりました。

文化の型におけるベネディクトの主張

『文化の型』においてベネディクトは、それぞれの文化は、独自の価値観、規範、行動様式を持つ統合された全体であり、あたかも一つの「人格」のように捉えることができると主張しました。そして、プエブロ族、ドーブー族、クヌ族の文化を比較分析し、それぞれの文化が持つ特徴的なパターンを明らかにしました。

文化の型の出版後の影響と評価

『文化の型』は、出版当時から大きな反響を呼び、文化人類学における古典としての地位を確立しました。文化相対主義の概念を広く普及させ、西洋文化中心主義的な偏見を克服する上で大きく貢献したと評価されています。

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