## ベネディクトの文化の型と言語
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文化の型
ルース・ベネディクトは、文化人類学者として、独自の文化相対主義的な視点から文化を捉え、「文化の型」という概念を提唱しました。これは、それぞれの文化が、あたかも一つの芸術作品のように、独自の価値観や行動様式、思考パターンを有しており、それらが有機的に組み合わさって、全体として一つの統一的な「型」を形成しているという考え方です。
ベネディクトは、文化の型を「文化によって標準化された、思考と行動様式」と定義し、これは人々の行動、感情、思考を方向付ける強力な力を持つと主張しました。
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言語と文化の型
ベネディクトは、言語もまた文化の型の一部として重要な役割を果たすと考えました。言語は単なるコミュニケーションの道具ではなく、文化によって特有な世界観や思考様式を反映し、それを次世代へと伝達する役割を担っていると考えました。
例えば、ある文化では、自然現象や感情を表現するのに非常に多くの語彙を持っているのに対し、別の文化では、それらを表現する語彙が限られている場合があります。これは、それぞれの文化が、言語を通して世界をどのように認識し、解釈しているのかを示しています。
ベネディクトは、言語が文化の型を形成する上で重要な要素であることを示唆しましたが、言語と文化の関係性について詳細な分析は行いませんでした。