## ヘーリングの法律学における目的に匹敵する本
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ルドルフ・フォン・イェーリング「権利のための闘争」
ルドルフ・フォン・イェーリングの「権利のための闘争」は、1872年に初版が出版された、法学における古典的名著です。ヘーリングの「法律学における目的」と同様に、「権利のための闘争」も法の目的論について深く考察し、法学界に大きな影響を与えました。
本書でイェーリングは、権利は天から与えられたものではなく、個人の努力や闘争によって獲得されるべきものだと主張しました。彼は、権利侵害に対しては断固として闘うべきであり、その闘争こそが権利の真の存在理由であると説きます。
「権利のための闘争」は、法学を抽象的な理論から現実の社会問題へと接続し、個人の権利意識の向上を促すという点で大きな意義を持つ作品として、今日でも広く読まれ続けています。
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オリバー・ウェンデル・ホームズ・ジュニア「コモン・ロー」
オリバー・ウェンデル・ホームズ・ジュニアの「コモン・ロー」は、1881年に出版された、英米法の形成過程を歴史的に分析した名著です。ヘーリングやイェーリングの著作が法の目的論に焦点を当てているのに対し、「コモン・ロー」は法の進化と歴史性に重きを置いています。
本書でホームズは、コモン・ローは論理ではなく、経験によって発展してきたと主張しました。彼は、裁判官が過去の判例を参考にしながら、社会のニーズや道徳観の変化に合わせて法を柔軟に解釈してきたことを明らかにしました。
「コモン・ロー」は、法を固定的な規則の集合体ではなく、常に変化し続ける動的なシステムとして捉える視点を提示した点で、法学史に大きな足跡を残しました。また、法リアリズムの先駆的な著作としても評価されています。