ヘーゲルの法の哲学に匹敵する本
プラトンの「国家」
古代ギリシャの哲学者プラトンによって書かれた「国家」は、正義、理想的な国家の形態、そして人間の魂の性質を探求した対話篇です。ソクラテスを中心人物とした対話形式で書かれ、様々な立場の人物が理想的な国家のあり方について議論を交わします。
「国家」で展開される議論は、正義を個人と国家の両方のレベルで考察し、法や政治制度の根底にある原理を問うものです。プラトンは、理想的な国家は哲学者王によって統治されるべきであり、正義は個人の魂の各部分がその役割を果たすことによって実現されると主張しました。
「国家」は西洋哲学の古典として、法哲学、政治哲学、倫理学など幅広い分野に多大な影響を与え続けています。その影響は、後の時代の思想家たちがプラトンの思想を批判的に検討し、独自の国家論や正義論を展開する上で重要な参照点となったことにも表れています。