ヘミングウェイの老人と海に匹敵する本
自然と人間の闘争を描く:『白鯨』
(ハーマン・メルヴィル)
『老人と海』と同じく、自然の脅威と人間の不屈の精神を描いた作品として、ハーマン・メルヴィルの『白鯨』が挙げられます。
エイハブ船長と巨大な白鯨モビー・ディックの復讐劇は、自然の圧倒的な力と人間の闘いを象徴的に描いています。
『老人と海』のサンチャゴ老人が巨大カジキとの格闘を通して自然への畏敬の念を抱くように、『白鯨』でもまた、自然の深淵と人間の存在の小ささが対比として描かれています。
人間の尊厳を描く:『異邦人』
(アルベール・カミュ)
不条理な世界における人間の存在を描いた作品として、アルベール・カミュの『異邦人』も挙げられます。
『老人と海』のサンチャゴ老人が社会から疎外されながらも、自分の信念に従って生きようとする姿は、『異邦人』のムルソーが社会の常識にとらわれず、自身の存在意義を問い続ける姿と重なります。
どちらの作品も、社会通念や外部からの評価ではなく、個人の内面における尊厳をテーマとしています。