## プルードンの経済的諸矛盾の体系に匹敵する本
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資本論
カール・マルクスの主著であり、19世紀の経済学を代表する古典の一つ。「プルードンの経済的諸矛盾の体系」と同様に、資本主義経済の矛盾を鋭く分析した書として知られています。マルクスは、本書において労働価値説に基づき、資本主義社会における搾取の構造を明らかにしました。具体的には、労働者が生産する価値と、資本家が労働者に支払う賃金の差額である「剰余価値」が、資本家の利潤の源泉であると論じています。
「資本論」は全3巻からなり、第1巻は1867年、第2巻は1885年、第3巻は1894年にそれぞれ出版されました。第1巻では資本主義経済の基礎的なメカニズムを、第2巻では資本の循環と再生産のプロセスを、第3巻では利潤率の傾向的低下の法則などを論じています。
「資本論」は、マルクスの死後も世界中の社会主義運動に多大な影響を与え、20世紀にはソビエト連邦をはじめとする社会主義国家の樹立にもつながりました。現代においても、資本主義経済の分析ツールとして、あるいは社会主義思想の古典として、広く読まれ続けています。