## プルタークの英雄伝を読む
古代ギリシャ・ローマを知るための重要な史料
「プルタークの英雄伝」（原題：対比列伝）は、古代ローマ時代のギリシャ人著作家プルタークによって書かれた、古代ギリシャ・ローマの著名人50人の伝記集です。1世紀後半から2世紀初頭にかけて執筆されたと推定されており、古代ギリシャとローマの政治家や軍人を中心に、各人の生涯を対比しながら生き様を描いています。
伝記という枠を超えた人間ドラマ
本書は単なる歴史書ではなく、英雄たちの栄光と挫折、高潔な精神や野心、友情や裏切りなど、人間の本質を浮き彫りにした物語として読むことができます。プルタークは歴史的事実だけでなく、逸話や伝説も交えながら、登場人物たちの内面を深く掘り下げることに重点を置いています。
西洋文化に与えた多大な影響
「プルタークの英雄伝」は、ルネサンス期にラテン語版が翻訳されて以降、ヨーロッパの思想家や芸術家たちに多大な影響を与えました。シェイクスピア、モンテーニュ、ラファエロなど、多くの文化人が本書からインスピレーションを得て作品を生み出しています。現代においても、人間の生き方やリーダーシップを考える上で重要な示唆を与えてくれる古典として読み継がれています。