## プリゴジンの混沌からの秩序の入力と出力
入力
プリゴジンが「混沌からの秩序」で主に扱ったのは、**熱力学、特に非平衡熱力学**の分野です。
彼の研究対象は、
* **平衡から大きく離れた状態にある熱力学系**
* **外部とエネルギーや物質を交換する開放系**
が中心でした。
出力
プリゴジンは、従来の熱力学の枠組みでは説明が困難だった、**非平衡状態にある開放系における秩序の形成**について、以下の様な独自の理論を展開しました。
* **散逸構造**: 平衡から遠く離れた非平衡状態にある開放系では、エネルギーや物質の散逸(エントロピー生成)を通して、新たな秩序構造が出現することがある。この秩序構造を**散逸構造**と呼ぶ。
* **自己組織化**: 散逸構造は、外部から特定の設計図や指示を受けることなく、系自身の内部相互作用を通して自発的に形成される。このプロセスを**自己組織化**と呼ぶ。
プリゴジンの理論は、物理学、化学、生物学など、様々な分野に大きな影響を与え、複雑系の科学の発展に貢献しました。