Skip to content Skip to footer

プラトンの饗宴の光と影

## プラトンの饗宴の光と影

###

愛の光

「饗宴」の中で、愛は様々な角度から語られますが、特に光として描かれる場面が印象的です。パイドロスは、愛が最も古い神であり、人間に最も偉大な善をもたらす存在だと述べます。また、愛は人を恥ずべき行為から遠ざけ、美しい行為へと駆り立てる力を持つともされます。

エリュクシマコスは、愛を秩序と結びつけ、節度と調和をもたらす力だと主張します。彼のスピーチでは、愛は天と地を繋ぎ、神々と人間を結びつけるものとして描かれ、宇宙全体の調和を保つ重要な要素として位置付けられます。

ディオティマのスピーチでは、愛は不死への憧れ、つまり永遠の美と善を求める人間の欲求として表現されます。彼女は、愛は美しいものへの愛から始まり、肉体的な美から精神的な美へと昇華していく過程を描写します。そして最終的に、愛は永遠なる美、つまりイデアとしての美へと到達すると説きます。

###

愛の影

「饗宴」では、愛の光だけでなく、その影の部分についても言及されています。

パウサニアスは、愛には高尚な天上の愛と、肉体的な快楽のみを追求する vulgares な愛の二種類があると主張します。彼は、愛を盲目的に肯定するのではなく、その対象や方法を見極めることが重要だと指摘します。

また、アリストパネスの myth では、人間はもともと球体のような完全な存在でしたが、神々に恐れられ、二つに引き裂かれてしまったという話が語られます。そして、愛は失われた半身を求める切望として描かれ、愛の苦悩や狂おしい側面が強調されます。

さらに、饗宴の終盤に登場するアルキビアデスは、ソクラテスへの激しい愛を告白しますが、その愛は報われず、苦悩と frustration に満ちています。彼のスピーチは、愛が必ずしも幸福をもたらすとは限らず、時には苦しみや悲しみをもたらす可能性を示唆しています。

このように、「饗宴」では愛の光と影の両面が描かれ、愛の複雑で多面的な nature が浮かび上がっています。

Amazonで詳細を見る

Leave a comment

0.0/5