## プラトンのメノン の世界
登場人物
* **メノン**: テッサリアの富裕な貴族で、政治家を目指している。徳を教えられるかどうかに強い関心を持つ。
* **ソクラテス**: 古代ギリシャの哲学者。問答法を用いて、メノンの無知を暴き、真の知識へと導こうとする。
* **メノンの従者**: メノンの奴隷。ソクラテスの問答を通して、幾何学の問題を解く。
主なテーマ
* **徳は教えられるか**: メノンはこの問いをソクラテスにぶつけるが、議論は迷宮入りする。ソクラテスは、そもそも徳とは何かが明らかになっていないと指摘する。
* **想起説**: ソクラテスは、我々は生まれる前にイデアの世界ですべての知識を得ており、学習とはそれを想起することだと主張する。
* **無知の知**: ソクラテスは、自分が何も知らないことを知っている唯一の人間だと語る。真の知識を得るためには、まず自分の無知を自覚することが重要である。
重要な場面
* **徳の定義をめぐる問答**: メノンは、徳を様々な形で定義しようと試みるが、ソクラテスの鋭い指摘によって、いずれも不十分であることが明らかになる。
* **奴隷少年との問答**: ソクラテスは、幾何学の問題を通して、奴隷少年が生まれつき幾何学の知識を持っていることを示そうとする。
* **正しい意見と知識**: ソクラテスは、正しい意見は有用だが、それが真の知識になるためには、根拠付けが必要だと主張する。
対話篇の構成
「メノン」は、初期対話篇に分類され、ソクラテスの問答法が中心的に描かれる。明確な結論は示されず、読者に更なる考察を促すような形で終わる。