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プラトンのメノンを読む前に

プラトンのメノンを読む前に

ソクラテス式問答法について理解する

メノンは、プラトンが書いた対話篇であり、その特徴的なスタイルであるソクラテス式問答法を用いて書かれています。これは、ソクラテスが問答を通して相手の中にある無知を自覚させ、真の知識へと導くという手法です。ソクラテスは、自らは何も知らないという立場をとり、相手に対して一見単純な質問を投げかけます。そして、相手の答えをさらに深掘りする質問を重ねることで、矛盾を明らかにし、新たな視点を与えていきます。メノンを読む前に、このソクラテス式問答法の基本的な流れを理解しておくと、登場人物たちの主張や議論の展開をより深く理解することができます。

当時のギリシャ社会における徳の概念に触れる

メノンでは、「徳は教えられるのか」という、古代ギリシャにおいても重要なテーマが扱われています。当時のギリシャ社会では、徳は政治や社会生活において重要な要素とされており、多くの人々が関心を寄せていました。プラトンがこの対話篇を通して、当時の徳に対する考え方や問題提起をしていることを念頭に置きながら読むと、より深く内容を理解することができます。

登場人物の関係性と背景を押さえる

メノンには、ソクラテスの他に、メノン、奴隷少年など、個性的な登場人物が登場します。メノンは、テッサリアの貴族の青年であり、政治家を目指している野心家です。彼は、自信過剰で、自分の意見を曲げない一面を持っています。一方、奴隷少年は、幾何学の問題を通して、ソクラテスの問答によって潜在的な知識を引き出されていきます。登場人物たちの関係性や背景を理解することで、それぞれの発言の意図や、対話全体における役割がより明確になります。

「想起説」を事前に調べておく

メノンでは、プラトンの重要な哲学思想である「想起説」が展開されます。想起説とは、我々が生まれながらにして魂に真の知識を備えており、学習とはその知識を思い出す行為であるとする考え方です。ソクラテスは、奴隷少年との対話を通して、幾何学の知識を例に挙げながら、この想起説を説明しようと試みます。事前に「想起説」について調べておくことで、メノンにおける議論をよりスムーズに理解することができます。

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