## プラトンのメノンの話法
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問答法
「メノン」は、ソクラテスとメノンを中心とする対話形式で書かれています。ソクラテスは、自らの無知を表明することから始め、相手に問いかけを繰り返すことで、議論を進めていきます。この問答を通して、一見自明に思える概念を問い直し、その本質を明らかにしようと試みます。
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反例による反駁
ソクラテスは、メノンが提示する定義や主張に対して、具体的な反例を挙げることで、その不十分さを指摘します。たとえば、メノンが「徳とは、男であれば国事をよく治めること」と定義した際には、女性や子供が徳を持てないことになる点などを指摘し、定義の狭隘さを明らかにします。
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回想説
「メノン」では、人は生まれながらにしてあらゆる知識を持っているが、それを忘却しているという「回想説」が展開されます。ソクラテスは、幾何学の問題を用いて、奴隷少年に潜在的な知識を「想起」させることで、この説を証明しようと試みます。
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比喩
ソクラテスは、抽象的な概念を説明する際に、比喩を用いることがあります。たとえば、徳を定義する難しさを説明する際に、「徳とは形を持たないものである」と述べ、形而上学的な議論を展開します。