プラトンのメノンの表現
ソクラテスの問いかけ
ソクラテスは、メノンに対して、徳が教えられるものかどうかを問います。しかし、ソクラテスは自らの無知を主張し、メノンに徳の定義を問いかけます。メノンは、様々な立場から徳を定義しようとしますが、ソクラテスはそれらの定義に矛盾や不十分さを指摘し、メノンを困惑させます。
弁論術的な技巧
メノンは、政治家としての経験から、雄弁に自説を展開します。彼は、比喩や例えを用いながら、自らの主張を印象づけようとします。一方、ソクラテスは、簡潔で率直な言葉遣いを好みます。彼は、メノンの主張の本質を見抜き、鋭い質問を投げかけることで、メノンの無知を暴き出していきます。
問答法
メノンは、ソクラテスの問いかけに対して、自らの考えを述べるよりも、一般的な意見や権威者の言葉を引用することに頼りがちです。一方、ソクラテスは、問答を通して、メノン自身の内面に潜む矛盾や無知を自覚させようとします。ソクラテスは、自らは答えを提示せず、メノン自身が考えることを促します。
比喩
ソクラテスは、魂の想起説を説明するために、奴隷少年に幾何学の問題を解かせる場面を挿入します。この場面は、適切な問いかけによって、誰もが生まれつき持っている知識を引き出すことができると示唆しています。また、ソクラテスは、徳を「正しい意見」と「知識」に分類し、真の徳は「知識」に基づくものであると主張します。