## プラトンのメノンの技法
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問答法
プラトンの対話篇「メノン」では、ソクラテスとメノンが徳について議論を交わしますが、その議論は一貫して問答法によって進められます。ソクラテスは自らの主張を一方的に述べるのではなく、メノンに様々な質問を投げかけることで、彼自身の思考を促し、真理へと導こうとします。
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反駁
ソクラテスはメノンの主張に対して、すぐに反論することはありません。まずはメノンの主張を丁寧に聞き取り、その上で、矛盾点や曖昧な点を指摘することで、メノン自身が自らの誤りに気づくように仕向けます。
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想起説
「メノン」の中盤では、有名な「想起説」が登場します。これは、魂は不滅であり、生まれる前にあらゆる知識をすでに持っていると考える説です。ソクラテスはこの説を用いて、幾何学の問題を解く奴隷少年の例を挙げ、学習とは、魂に潜在的に存在する知識を想起させる行為に過ぎないと主張します。
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無知の知
ソクラテスは、自分は何も知らないということを自覚しています。そして、この「無知の知」こそが、真の知へと至るための第一歩であると説きます。ソクラテスはメノンに対しても、謙虚な姿勢で対話し、自らの無知を認めながら、共に真理を探求しようと促します。