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プラトンのメノンの対称性

## プラトンのメノンの対称性

### 対話全体の構成における対称性

「メノン」は、大きく分けてソクラテスとメノンの対話、ソクラテスとメノンの召使いの対話、再びソクラテスとメノンの対話の三部構成となっています。

前半のソクラテスとメノンの対話では、メノンが徳について自信満々に自説を展開する一方、ソクラテスは終始問答を繰り返すことでメノンの無知を露呈していきます。

中盤の召使いとの対話では、幾何学の問題を通して、想起説の例証が試みられます。召使いは当初、答えを知らない状態でしたが、ソクラテスの問いかけによって最終的には自ら正しい答えを導き出します。

後半のソクラテスとメノンの対話では、再び徳の探求に戻りますが、前半に見られたようなメノンの自信に満ちた態度は影を潜め、ソクラテスに対してより謙虚な姿勢で対話を続けるようになります。

### 個別のテーマにおける対称性

「メノン」では、徳の定義、徳の教授可能性、想起説といったテーマが繰り返し議論されます。

例えば、徳の定義については、メノンは当初、男らしさや女らしさ、立場にふさわしい行動など、具体的な例を挙げるにとどまります。しかし、ソクラテスの追及によって、最終的には「徳とは、魂の健康状態である」という一般的な定義にまで議論が進展します。

また、徳の教授可能性についても、当初はメノンがソフィストたちを例に挙げて肯定的に捉えていたのに対し、ソクラテスは疑問を呈します。そして、最終的には、徳は知識ではなく、神から与えられる「正しい意見」であるという結論に至ります。

このように、「メノン」では、様々なテーマが対話の中で繰り返し取り上げられ、議論が深められていく様子が描かれています。

### 登場人物の変化における対称性

「メノン」の対話を通じて、メノン自身の内面にも変化が生じます。

当初、メノンは徳について自信に満ちた態度でソクラテスに臨んでいました。しかし、ソクラテスの問答によって自らの無知を思い知らされるうちに、次第に謙虚な姿勢を見せるようになります。

また、召使いとの対話を通して、メノンは知識の想起という可能性を目の当たりにします。この経験は、メノン自身の知識に対する考え方を大きく変え、後の議論にも影響を与えていると考えられます。

このように、「メノン」では、対話を通じて登場人物たちの内面的な変化や成長が描かれており、それが作品全体のテーマを浮かび上がらせる役割も担っています。

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