プラトンのパイドンの関連著作
ソクラテスの弁明
プラトンの中期対話篇であり、パイドン、クリトン、パイドンと合わせて三部作を構成しています。ソクラテスの裁判を描いた作品であり、アテネの陪審員団に対するソクラテス自身の弁明が中心となっています。
本作品は、若者を堕落させたこと、そして都市国家アテネの神々を信じないことを理由に告発されたソクラテスが、自らの信念と哲学を雄弁に語り、無実を訴える様子が描かれています。ソクラテスは、自らの無知を自覚することの重要性、徳こそが最高の善であること、そして死を恐れるべきではないことを主張し、裁判官たちに対して、真実を追求することの大切さを訴えます。
パイドンでは、ソクラテスの死が描かれていますが、ソクラテスの弁明は、その死に至るまでの背景や、ソクラテスの哲学的立場を理解する上で欠かせない作品と言えるでしょう。
クリトン
プラトンの中期対話篇。パイドン、ソクラテスの弁明と合わせて三部作を構成する作品です。
本作では、ソクラテスが刑死する直前に、親友クリトンが脱獄を勧める場面が描かれています。クリトンは、ソクラテスが不当な判決を受けたこと、そして残された家族のことを考慮して脱獄を促しますが、ソクラテスは、法を破ることの不正性を主張し、あくまでもアテネの法律に従うことを選択します。
クリトンは、法と正義、そして国家と個人の関係について考察を深める作品です。パイドンでは、死を前にしても冷静さを失わないソクラテスの姿が印象的ですが、クリトンを読むことで、その背後にあるソクラテスの倫理観や信念をより深く理解することができます。
パイドロス
プラトンの中期対話篇。パイドンとは、愛と美、そして魂の不死についてがテーマとして共通しています。
パイドロスでは、ソクラテスとパイドロスが、愛について語ったリュシアスの弁論を批評しながら、真の愛の形について議論を展開していきます。ソクラテスは、肉体的な愛を超越した、魂の愛こそが真の愛であると主張し、その過程で、魂の不死性や、イデア論についても言及します。
パイドンでは、魂の不死が主要なテーマとして扱われていますが、パイドロスを読むことで、プラトンの魂論や、愛と美に関する思想をより深く理解することができます。
国家
プラトンの代表作の一つであり、中期対話篇に属します。パイドンとは、正義、魂、そして理想国家というテーマにおいて関連性が深い作品と言えるでしょう。
国家では、ソクラテスが、様々な立場の人々と対話を重ねながら、理想国家のあり方を探求していく様子が描かれています。ソクラテスは、正義로운 国家を実現するためには、個人の魂の内に正義が確立されている必要があると主張し、哲人王による統治や、教育の重要性を説きます。
パイドンにおいても、ソクラテスは、肉体的な快楽よりも、魂の浄化や徳を重視する姿勢を示していますが、国家を読むことで、その背景にあるプラトンの思想をより体系的に理解することができます。