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プラトンのパイドンの対極

## プラトンのパイドンの対極

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「パイドン」における魂の不死の主張

「パイドン」は、古代ギリシャの哲学者プラトンによって書かれた対話篇であり、その中心テーマは魂の不死です。ソケラテスが自らの死を前に、魂は肉体の死後も存続し、より高次の世界へと移行すると説く様子が描かれています。ソケラテスは、魂は肉体とは独立した不滅の存在であり、生前の行いによって来世での運命が決まると主張します。

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唯物論:魂の存在を否定する立場

「パイドン」の主張とは対照的に、魂の存在を否定し、物質のみが現実であると主張するのが唯物論です。古代ギリシャのデモクリトスやエピクロスは、万物は原子とその運動によって説明できると考え、魂もまた物質的な存在であると見なしました。彼らにとって、死とは魂を構成する原子の分散であり、意識や人格の消滅を意味しました。

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仏教における無我:永遠不変の魂の否定

仏教、特に初期仏教においては、「無我」の思想が説かれます。これは、我々人間を含め、この世のすべての存在は、永遠不変の魂のような実体を持たないと説く教えです。仏教では、人間の意識や身体は、常に変化し続ける五蘊(色・受・想・行・識)の集合体と捉えられます。つまり、そこには「パイドン」で説かれるような、独立した不滅の魂は存在しないと考えます。

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実存主義:死後の世界への言及を避ける

実存主義は、20世紀にフランスの哲学者サルトルらによって提唱された思想であり、「実存は本質に先立つ」というテーゼを掲げます。これは、人間は生まれながらにして何者であるか決まっているのではなく、自らの選択と行動によって自己を創造していく存在であることを意味します。実存主義は、死後の世界や魂の不死といった形而上学的な問題への言及を避け、あくまでも、この現実世界における人間の自由と責任を重視します。

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