## プラトンのティマイオスの対称性
宇宙の創造における対称性
ティマイオスにおいて、プラトンは創造神話を通して自身の宇宙観を提示します。 デミウルゴスと呼ばれる神的な創造主は、無秩序な状態から秩序ある宇宙を創造します。 この過程において、対称性は秩序と美、そして善の象徴として重要な役割を担います。
幾何学的図形と対称性
プラトンは、宇宙の構成要素を説明するために幾何学的図形を用います。 特に、正多面体である正四面体、正八面体、正二十面体、正六面体、そして正十二面体は、それぞれ火、空気、水、土、そしてエーテルという五つの元素に対応付けられます。 これらの正多面体は、完全な対称性を備えた理想的な形として描かれ、宇宙の秩序と調和を象徴しています。
魂における対称性
宇宙の創造と同様に、人間の魂もまた対称性を基盤としています。 デミウルゴスは、世界魂を創造する際に、それを分割し、それぞれが対称的な構造を持つ個々の魂を生成します。 この対称性は、理性、気概、欲望という三つの部分の調和によって実現されます。
身体における対称性
プラトンは、人間の身体もまた対称性を備えていることを強調します。 頭部、胴体、四肢という身体の構成要素は、互いに調和のとれた比率で配置されています。 このような身体の対称性は、魂の対称性を反映しており、人間の全体的な美と完全性を示しています。