## プラトンのゴルギアスの話法
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対話篇
「ゴルギアス」は、プラトンが著した中期対話篇の一つであり、ソクラテスと、雄弁家ゴルギアス、そしてその弟子ポロス、カリクレスとの対話という形式で書かれています。ソクラテス式の対話篇の特徴である、問答を通して議論を深めていく手法が「ゴルギアス」でも顕著に見られます。
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弁論術批判
「ゴルギアス」では、雄弁術(レトリック)の本質や倫理、政治との関係が主要なテーマとなっています。ソクラテスは、ゴルギアスやポロスとの対話を通して、当時のアテネで流行していた雄弁術を厳しく批判します。
ソクラテスは、雄弁術を「感覚的な快楽を与えるだけの技術」とみなし、真の知識や善に基づかない説得は、人々を誤った方向に導く危険性があると主張します。
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問答法
「ゴルギアス」では、ソクラテスが得意とする問答法が効果的に用いられています。ソクラテスは、相手の発言に対して、次々と鋭い質問を投げかけることで、相手の矛盾や論理の破綻を明らかにし、真実に近づこうと試みます。
例えば、ゴルギアスが雄弁術を「最も優れた技術」と定義した際には、ソクラテスは「雄弁家が不正を行うこともあり得るか?」と問い、ゴルギアスを追い詰めていきます。
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比喩
「ゴルギアス」では、抽象的な概念を分かりやすく説明するために、様々な比喩が用いられています。例えば、ソクラテスは、魂の状態を「健康な状態」と「病的な状態」に喩え、真の知識と善に基づいた生き方こそが、魂を健康な状態に保つと主張します。
また、雄弁術を「料理術」に喩え、どちらも感覚的な快楽を与えるだけであり、真の幸福には繋がらないと批判しています。