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プラトンのゴルギアスの力

## プラトンのゴルギアスの力

### 力とは何か?

『ゴルギアス』において、プラトンはソクラテスと、ゴルギアス、ポロス、カリクレスという3人の対話者を通して、
修辞学、快楽、正義、力といった重要なテーマを探求しています。
力については、それが一体何であるのか、そして真の力とは何かという問いが中心に据えられています。

### ソクラテスによる力の定義への異議

ソクラテスは、力とは「善をなす力」、
つまり、正義に基づいた行動をとる力であると主張します。
彼は、不正を行うことは真の力ではなく、むしろ弱さであると考えます。
なぜなら、不正は魂の秩序を乱し、真の幸福を阻害するからです。

### 対話者たちの主張とソクラテスの反論

一方、ゴルギアスやポロスは、修辞学を駆使して大衆を操り、
自らの欲望を満たす力こそが真の力であると主張します。
しかしソクラテスは、彼らの主張を論駁し、
真の力は、知識と正義に基づいた行動をとる能力であると反論します。

### カリクレスの登場と自然における力の概念

対話の後半では、カリクレスという人物が登場し、
従来の道徳観を否定する、よりラディカルな力の概念を提示します。
彼は、自然の法則においては、強い者が弱い者を支配するのが当然であり、
人間社会においても、欲望を追求し、快楽を最大化する生き方こそが正しいと主張します。

### ソクラテスとカリクレスの対立

ソクラテスは、カリクレスの主張に対しても、
理性に基づいた節度と正義の重要性を説き、反論を試みます。
しかし、両者の意見は最後まで完全に一致することはありません。

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