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ブルクハルトのイタリア・ルネサンスの文化の感性

## ブルクハルトのイタリア・ルネサンスの文化の感性

ブルクハルトの近代的自我の発見

ヤコブ・ブルクハルトは、その記念碑的著作『イタリア・ルネサンスの文化』において、中世と決別し、近代的な個人主義の萌芽を見出したと主張しています。ブルクハルトは、14世紀から16世紀にかけてのイタリアにおいて、人間はそれまでの宗教的束縛から解放され、自己を意識し、その能力を最大限に発揮しようと努めたと論じています。

ルネサンスにおける「個」の解放と感性の深まり

ブルクハルトは、ルネサンス期の人々が生み出した芸術作品、文学、建築などを分析することで、彼らの内面に深く分け入ろうとしました。彼は、ルネサンス芸術における写実主義や遠近法の追求、人間中心主義的な世界観の台頭などを、個の解放と感性の深まりの表れとして捉えています。

古典古代の再生と感性の洗練

ブルクハルトは、ルネサンス期における古典古代の復興運動が、人々の感性を洗練させたとも論じています。ギリシア・ローマの芸術や思想に触れることで、当時のイタリアの人々は、人間性に対する深い理解と、調和や均衡を重視する美的感覚を育んでいったと彼は考えています。

ブルクハルトの感性史的アプローチとその限界

ブルクハルトの研究は、ルネサンス期の人々の内面世界を理解する上で重要な視点を提供しています。彼は、政治や経済といった従来の歴史学が重視してきた要素だけでなく、芸術や文化といった側面から歴史を捉え直すことで、より多角的な歴史像を描こうとしました。

しかし、ブルクハルトの主張は、その後の歴史学研究の進展によって、いくつかの点で修正を迫られています。例えば、中世を「暗黒時代」と断定し、ルネサンス期を「近代の夜明け」と位置づける彼の歴史観は、現代ではあまりにも単純化されすぎていると批判されています.

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