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ブラウンの帝国主義の経済学の対極

## ブラウンの帝国主義の経済学の対極

帝国主義に対する経済的批判 – ホブソン、レーニンの理論

J.A.ホブソンの『帝国主義論』(1902) と V.I.レーニンの『帝国主義, 資本主義の最高の段階』(1916) は、どちらも「ブラウンの帝国主義の経済学」の対極に位置する歴史的名著として挙げられます。これらの著作は、帝国主義を経済的なレンズを通して分析し、先進資本主義国家における経済的不均衡と過剰資本が帝国主義的拡張の根本原因であると主張しました。

ホブソンは、資本主義経済における過剰な貯蓄と消費不足が、新たな市場と投資機会を求める帝国主義的政策につながると論じました。彼は、帝国主義は資本主義社会における富の不平等な分配の結果であり、少数の富裕層が過剰な資本を海外投資に振り向けることで利益を得ようとする一方で、労働者階級は低賃金と消費不足に苦しんでいると主張しました。

レーニンはホブソンの分析を発展させ、帝国主義を資本主義の「最高の」かつ最終的な段階であると位置づけました。彼は、資本主義の発展に伴い、競争は激化し、利潤率は低下すると主張しました。この状況下では、資本家は国内市場では十分な利潤を得ることができなくなり、新たな市場と投資機会を求めて海外に進出せざるを得ないと論じました。レーニンは、帝国主義は資本主義の必然的な帰結であり、最終的には資本主義システムの崩壊と社会主義革命につながると予測しました。

ホブソンとレーニンの理論は、どちらも経済決定論的な側面が強く、帝国主義を純粋に経済的な要因のみで説明しようとする傾向が見られます。しかし、これらの著作は帝国主義のメカニズムを理解するための重要な視点を提供し、20世紀前半の反植民地運動に大きな影響を与えました。

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