フローベールのサランボーを読んだ後に読むべき本
古代カルタゴへの理解を深める ヘロドトスの『歴史』
サランボーを読み終えた後、古代カルタゴという世界に更に深く足を踏み入れたいと思う方もいるでしょう。フロベールの描いた世界は、史実をベースにしながらも、その筆致は鮮やかな想像力によって彩られています。歴史書を読むことで、小説で描かれたカルタゴと、歴史書に記されたカルタゴの違いを見比べ、より深く理解を深めることができるでしょう。
そこでおすすめしたいのが、古代ギリシャの歴史家ヘロドトスによって書かれた『歴史』です。ヘロドトスは「歴史の父」とも呼ばれ、ペルシャ戦争を中心とした古代ギリシャ世界の歴史を描いています。
『歴史』は全9巻からなり、その内容は戦争や政治だけでなく、地理、民族、文化など多岐に渡ります。サランボーの舞台となったカルタゴについても、第1巻や第4巻などで言及されており、当時のカルタゴの社会や文化、そしてギリシャとの関係などを知ることができます。
例えば、ヘロドトスはカルタゴ人の宗教儀式や商習慣について詳しく記述しています。また、カルタゴとギリシャの間で起こった戦争についても触れており、サランボーで描かれた戦争の背景を知る上でも役立つ情報が得られるでしょう。
ヘロドトスの『歴史』を読むことで、サランボーの世界をより深く理解できるだけでなく、古代地中海世界に対する視野も広がります。