フローベールのサランボーが関係する学問
オリエンタリズムと植民地主義
「サランボー」は、古代カルタゴを舞台にした歴史小説です。当時のフランスでは、アルジェリアの植民地化が進められており、北アフリカへの関心が高まっていました。フローベール自身も、1849年から1851年にかけて、北アフリカや中東を旅行しており、その経験が作品に色濃く反映されています。
古代史研究
フローベールは、「サランボー」を執筆するにあたり、膨大な量の資料を渉猟し、古代カルタゴの社会、文化、宗教、軍事などについて、詳細な描写を試みています。当時の考古学や歴史学の成果が、作品に反映されている点も注目されます。
文学における写実主義
フローベールは、写実主義文学の先駆者の一人とされています。「サランボー」においても、客観的な視点で、登場人物の心理や行動、社会状況などを描写しようとする姿勢が見られます。当時の社会や文化を、可能な限り忠実に再現しようとする試みは、写実主義文学の特徴の一つと言えるでしょう。