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フッサールの純粋現象学および現象学的哲学の諸問題を読んだ後に読むべき本

フッサールの純粋現象学および現象学的哲学の諸問題を読んだ後に読むべき本

ハイデガーの「存在と時間」

マルティン・ハイデガーの「存在と時間」は、フッサールの現象学から出発しながらも独自の道を切り開き、20世紀の哲学に多大な影響を与えた記念碑的著作です。フッサールの著作によって現象学の基礎を築いた後、「存在と時間」を読むことは、その思想を発展させ、深化させるための格好の橋渡しとなるでしょう。

まず、「存在と時間」は、フッサールの現象学における中心的テーマである「意識の志向性」を継承しつつも、それを「現存在」という独自の概念へと発展させています。フッサールが意識の構造を分析することで世界の客観的な構造を明らかにしようとしたのに対し、ハイデガーは、人間存在そのものを「世界内存在」として捉え直し、存在の意味を問う存在論を展開します。

「存在と時間」は難解な哲学書として知られていますが、フッサールを経由することで、その理解はより深まります。例えば、ハイデガーの重要な概念である「世界内存在」、「気遣い」、「時間性」などは、フッサールの「生活世界」、「意図性」、「内的時間意識」といった概念と比較検討することで、より明確に理解できるでしょう。

さらに、「存在と時間」を読むことは、現象学が単なる認識論を超えて、倫理、実存、芸術、言語など、様々な分野へと応用可能であることを示してくれます。フッサールが方法論としての現象学を重視したのに対し、ハイデガーは、現象学を「存在の問い」へと向けることで、人間の存在の意味や本質に迫る哲学を展開しました。

「存在と時間」は、フッサールの現象学を批判的に継承しつつも、独自の哲学を展開したハイデガーの主著であり、フッサールを読んだ後に更なる深みを求める読者にとって、挑戦的で示唆に富んだ読書体験を提供してくれるでしょう。

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