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ビジネスに活かすニュートンの自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア)

ビジネスに活かすニュートンの自然哲学の数学的諸原理(プリンキピア)

ニュートンの『自然哲学の数学的諸原理』(通称プリンキピア)は、1687年に出版された科学史上最も重要な著作の一つです。この著作において、ニュートンは万有引力の法則をはじめとする三つの運動の法則を提示し、これらを用いて宇宙の物理現象を説明しました。これらの原理は現代のビジネスにおいても、抽象的ながら強力なアナロジーとして活用することができます。

運動の第一法則:慣性の法則

運動の第一法則、すなわち慣性の法則は、外力が働かない限り物体は静止または等速直線運動を続けるという法則です。ビジネスにおいては、企業やプロジェクトが一度動き始めると、外部から何らかの力が加わらない限りはその勢いを保ち続ける傾向があることを意味します。この原理から学べるのは、一度事業を軌道に乗せるための初期の努力が、その後の持続的な成長の鍵を握るということです。また、負の慣性、つまり不利な状況が続くことも同様に考えられます。負の状態を変えるには、積極的な外部からの力(例えば、新しい戦略の導入、組織改革など)が必要になります。

運動の第二法則:加速度の法則

運動の第二法則は、物体に働く力は、その物体の質量と加速度の積に等しいという法則です。この法則からビジネスの世界で学べるのは、大きな影響を与えたい場合(加速度を増す)、より多くの資源や努力(力)を投入する必要があるということです。また、企業の規模(質量)が大きくなるほど、同じ力ではより少ない加速度(成長速度の変化)しか得られないということも示唆しています。つまり、大企業が急速に成長するには、比例して大きな投資や変革が必要になるということです。

運動の第三法則:作用・反作用の法則

運動の第三法則、すなわち作用・反作用の法則は、ある物体が別の物体に力を及ぼすとき、その第二の物体もまた最初の物体に等しい大きさで反対向きの力を及ぼす、という法則です。ビジネスにおいては、競争相手に対する行動、市場への新製品導入、あるいは戦略的な動きが、同等の反応を引き起こす可能性があることを意味します。例えば、価格競争を仕掛けると、競合他社も価格を下げるかもしれません。この法則は、ビジネス上の決断を下す際に、その決断が引き起こす可能性のある反応を予測し、考慮することの重要性を教えてくれます。

ニュートンのプリンキピアから学べるこれらの原理は、抽象的ではありますが、ビジネス戦略を練る際に有用な枠組みを提供します。物理法則とビジネスの現象との間のアナロジーを理解し活用することで、より効果的な意思決定が可能になるでしょう。

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