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ヒルファーディングの金融資本論の選択

ヒルファーディングの金融資本論の選択

金融資本論における「選択」概念の位置づけ

ルドルフ・ヒルファーディングの主著『金融資本論』(1910)は、マルクスの『資本論』を理論的に発展させ、独占資本主義の分析を試みた著作として知られています。ヒルファーディングは、同書において、資本主義発展の新たな段階として「金融資本」の支配を特徴づけました。

金融資本の形成と「選択」

ヒルファーディングによれば、金融資本とは、銀行資本と産業資本の融合によって生み出される、より高度な資本形態です。銀行は、預金という形で社会の遊休資本を集積し、それを産業資本に貸し付けることで、利潤を獲得します。

このプロセスにおいて、銀行は、貸付先となる産業資本を「選択」します。銀行は、より高い収익が見込める産業、より信用力の高い企業に対して、優先的に資金を供給します。

「選択」による資本集中と独占の深化

金融資本の「選択」は、資本主義経済における資本集中と独占を促進する効果を持ちます。資金調達が有利になる大企業は、ますます規模を拡大し、市場支配力を強めます。一方、資金調達に苦しむ中小企業は、競争から脱落したり、大企業に吸収されたりします。

このように、金融資本の「選択」は、資本主義経済における競争を制限し、独占体制を強化する方向に作用します。

「選択」と経済危機

金融資本の「選択」は、経済危機の発生にも深く関わっています。銀行は、高い収益を求めて、リスクの高い投機的な事業に資金を供給することがあります。このような投機ブームが過熱すると、バブル崩壊を引き起こし、金融危機をもたらします。

金融危機は、金融資本の「選択」がもたらす負の側面の一つとして、ヒルファーディングによって指摘されました。

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