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ヒルファーディングの金融資本論の思索

ヒルファーディングの金融資本論の思索

金融資本の支配と資本主義の変容

ヒルファーディングは、マルクスの『資本論』を継承し、発展させながら、20世紀初頭の資本主義の新たな段階を特徴づける「金融資本」の支配を分析しました。彼は、銀行資本の産業資本への浸透と支配を通じて、資本主義が自由競争から独占資本主義へと移行していく過程を明らかにしました。

銀行資本の優位性と産業資本の従属

ヒルファーディングは、銀行が単なる産業資本の仲介者ではなく、独自の資本として、産業資本に対して優位性を持ち、支配関係を形成すると主張しました。銀行は、預金や証券発行を通じて巨額の資本を集め、それを産業資本に貸し付けることで、産業資本の活動に大きな影響力を持つようになります。

株式会社制度と金融資本の支配

ヒルファーディングは、株式会社制度が金融資本の支配を促進すると考えました。株式会社制度によって、企業は株式を発行することで、不特定多数の投資家から資本を集めることができるようになります。この結果、銀行は、株式を所有することで、企業の経営に直接関与し、支配を強めることができます。

金融資本の国際化と帝国主義

ヒルファーディングは、金融資本の支配が国内に留まらず、国際的に拡大していくことを指摘しました。銀行は、海外に進出し、現地企業への投資や融資を行うことで、国際的な支配関係を構築します。彼は、この金融資本の国際化が、帝国主義の重要な要因であると考えました。

金融資本と資本主義の矛盾

ヒルファーディングは、金融資本の支配が、資本主義の矛盾をさらに深刻化させると考えました。金融資本の追求する利潤最大化は、過剰な生産や投機を生み出し、経済危機を招きやすくなります。また、金融資本の支配は、富の集中を加速させ、社会的な不平等を拡大させると彼は論じました。

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