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ヒュームの人間機械論の面白さ

## ヒュームの人間機械論の面白さ

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人間理解への斬新なアプローチ

ヒュームは、当時の哲学界において支配的であったデカルト的な合理主義に真っ向から挑戦し、人間の心の働きを経験論的な立場から解き明かそうとしました。彼は、「理性」ではなく「感覚経験」を基盤として、人間の認知能力、道徳感情、社会関係などを分析していくという、それまでの哲学とは一線を画すアプローチを採用したのです。

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「経験」を重視する徹底的な姿勢

ヒュームは、我々が「自己」や「因果関係」、「必然性」といった概念を当然のものとして捉えていることに疑問を呈し、それらが本当に感覚経験に基づいているのかを徹底的に検証しました。例えば、彼は「自己」という概念を内観しても、常に変化する知覚や感情の束以外には何も発見できないと指摘し、我々が「自己」という不変の実体を想定しているのは単なる習慣や想像力の産物であると主張しました。

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「因果関係」への鋭い批判

ヒュームは、我々が日常的に「原因」と「結果」の関係を確信しているにも関わらず、その確信は感覚経験に基づいていないと指摘しました。彼は、ビリヤードの球が衝突する場面を例に挙げ、我々が「白い球の運動」と「赤い球の運動」の間に「必然的なつながり」を観察できるわけではないと主張します。我々が観察できるのは、単に二つの事象が時間的に連続して起こることだけであり、「因果関係」という概念は、そうした経験の繰り返しから生じる「習慣」や「心的傾向」に すぎないと結論付けました。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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