ヒュームの人間機械論の関連著作
デカルト『情念論』(1649)
デカルトは『情念論』において、人間の身体を複雑な機械と見なし、その動きは物理法則によって完全に説明できると主張しました。彼は、動物の行動はすべて機械的な反射によって説明できると考えていましたが、人間には理性という非物質的な魂が存在するため、動物とは根本的に異なるとしました。
ホッブズ『リヴァイアサン』(1651)
ホッブズは『リヴァイアサン』の中で、人間を含む自然界のすべては物質で構成されており、運動法則に従って動いていると主張しました。彼は、人間の精神活動も脳内の物質的な過程によって説明できると考え、人間の行動は自己保存という根源的な欲求によって駆動されると論じました。
ライプニッツ『人間悟性新論』(1704)
ライプニッツはデカルトの機械論に反論し、物質だけでは精神や意識を説明できないと主張しました。彼は、世界はモナドと呼ばれる非物質的な実体から構成されており、人間の精神もモナドの一種であるとしました。ライプニッツは、人間の精神はあらかじめプログラムされた機械ではなく、能動的に世界を認識し、自律的に判断を下すことができると考えました。
ラ・メットリー『人間機械論』(1748)
ラ・メットリーは『人間機械論』において、人間の精神活動を含め、人間のあらゆる側面は機械論的に説明できると主張しました。彼は、人間の思考、感情、意志などは、すべて脳内の物理的なプロセスに還元できると考えました。ラ・メットリーの思想は、当時の宗教的な人間観を揺るがすものであり、大きな論争を巻き起こしました。