パーソンズの社会体系論の関連著作
エミール・デュルケーム － 社会分業論
社会学者エミール・デュルケームの代表作として知られる本書は、1893年に出版されました。 社会の統合のあり方が、伝統的な社会と近代社会ではどのように変化したのかを考察しています。
デュルケームは、伝統的な社会では人々の思考や価値観が類似しており、「機械的連帯」によって社会が統合されていると考えました。一方、近代社会では、産業の分化・専門化が進展する中で、人々の間には相互依存関係が生じ、「有機的連帯」が社会を統合すると論じました。
パーソンズは、デュルケームの社会分業論を高く評価し、自身の社会体系論に取り入れました。特に、社会の分化と統合の問題は、パーソンズの理論においても重要なテーマとなっています。
マックス・ウェーバー － プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
ドイツの社会学者マックス・ウェーバーの主著とされる本書は、1904年から1905年にかけて発表されました。近代資本主義の精神が、西欧において宗教改革以降に広まったプロテスタンティズム、特にカルヴァン主義の倫理の影響を受けて生まれたことを論じています。
ウェーバーは、カルヴァン主義の「職業召命」の思想や禁欲的な生活態度が、合理的な経済活動や蓄積を促進し、資本主義の発展を促したと主張しました。
パーソンズは、ウェーバーの宗教社会学にも関心を持ち、彼の理論を自身の社会変動論に取り入れました。特に、価値観やイデオロギーが社会変動に与える影響を重視する点は、ウェーバーの影響が見られます。
ロバート・キング・マートン － 社会構造とアノミー
アメリカの社会学者ロバート・キング・マートンは、パーソンズの機能主義を批判的に継承し、独自の理論を展開しました。1938年に発表された論文「社会構造とアノミー」は、その代表作の一つです。
マートンは、社会構造が個人に目標と手段を提供する一方で、目標と手段の乖離によってアノミーが生じると論じました。
パーソンズは、社会システムの安定と均衡を重視していましたが、マートンは、社会構造の中に矛盾や葛藤が存在することを指摘し、社会変動の可能性を強調しました。