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パーソンズの社会体系論に匹敵する本

パーソンズの社会体系論に匹敵する本

社会学的想像力 / C・ライト・ミルズ (1959)

C・ライト・ミルズが1959年に発表した『社会学的想像力』は、社会学という学問分野を超えて、現代社会に対する批判的思考を促す古典的名著として広く読まれています。

本書でミルズは、「社会学的想像力」という概念を提唱し、個人の問題と社会構造との関連性を明らかにすることの重要性を強調しました。彼は、日常生活における個人的な経験を、歴史的・社会的な文脈の中で捉え直すことによって、現代社会における様々な問題の本質を見抜くことができると主張しました。

特に、ミルズは、当時のアメリカ社会に蔓延する官僚主義や大衆社会の弊害を鋭く批判し、個人の自由や自律性が脅かされている現状に警鐘を鳴らしました。彼は、知識人や市民が「社会学的想像力」を駆使することで、社会変革の主体となることができるという希望を提示しました。

『社会学的想像力』は、出版から半世紀以上が経過した現在でも、社会学のみならず、政治学、教育学、文化研究など、幅広い分野に影響を与え続けています。

自殺論 / エミール・デュルケーム (1897)

エミール・デュルケームが1897年に発表した『自殺論』は、社会学の古典としてだけでなく、社会科学全体における実証主義的方法の確立に大きく貢献した記念碑的作品として知られています。

デュルケームは、一見すると個人的な行為である自殺を、社会的な要因によって規定される現象として捉え直しました。彼は、当時のヨーロッパ諸国における自殺統計データを詳細に分析し、自殺率と社会統合や社会規範との間に密接な関係があることを明らかにしました。

具体的には、デュルケームは、社会統合の度合いが極端に低い状態(「自我主義的自殺」)や、逆に過度に高い状態(「利他主義的自殺」)、そして社会規範が崩壊した状態(「アノミー的自殺」)において、自殺率が高くなる傾向を示しました。

『自殺論』におけるデュルケームの功績は、社会学を単なる思弁的な学問ではなく、実証的なデータに基づいて社会現象を分析する科学へと発展させた点にあります。彼の社会学的方法論は、その後の社会科学研究に多大な影響を与えました。

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