パレートの社会学概論の話法
パレートの社会学概論における論理展開の方法
パレートは『社会学概論』において、独自の論理展開の方法を採用しています。彼は、人間の行動を論理的な行動と非論理的な行動に明確に区別し、社会現象の多くは人々の非論理的な行動によって引き起こされると主張しました。
論理的行動と非論理的行動の区別
パレートは、論理的行動を「客観的に見て、かつ主観的に見ても、手段と目的が論理的に結びついている行為」と定義しました。一方、非論理的行動は、客観的に見て手段と目的が論理的に結びついていない行為を指します。
非論理的行動の分析
パレートは、非論理的行動をさらに細かく分類し、それぞれに独自の名称を与えて分析しました。彼は、人間は自分の非論理的な行動を正当化するために、後付けで論理的な説明を作り出すと主張し、これを「残滓」と「派生物」という概念を用いて説明しました。
残滓と派生物
残滓とは、人間の感情や本能に根ざした、行動の背後にある恒常的な要素を指します。一方、派生物とは、残滓を論理的に正当化するために用いられる、変化しやすい要素を指します。パレートは、社会現象を分析する上で、残滓と派生物を区別することが重要であると強調しました。
例示と実証
パレートは自らの主張を裏付けるために、歴史上の出来事や社会現象を数多く例示しました。彼は、膨大な量の史料を駆使し、人間の非論理的な行動が歴史や社会にどのように影響を与えてきたのかを具体的に示しました。
科学性への志向
パレートは、社会学を自然科学のように客観的な学問として確立しようと試みました。彼は、感情や主観を排除し、論理と実証に基づいた分析を重視しました。そのため、数式や図表を用いて社会現象を説明しようと試みるなど、独自の研究方法を採用しました。