パシュカーニスの法の一般理論とマルクス主義の構成
パシュカーニスの法の一般理論とマルクス主義における章立て構成
パシュカーニスは、「法の一般理論とマルクス主義」の中で、以下のような章立てで自身の主張を展開しています。
序論
この章では、パシュカーニスは自身の法理論の出発点を明らかにします。彼は、カントやヘーゲルといったドイツ観念論の影響を受けつつも、最終的にはマルクスの唯物史観に基づいた法理論を展開することを宣言します。
第一部 法的形態における社会関係
パシュカーニスは、法を社会関係の特定の形態として捉えます。彼は、法が成立するためには、商品生産社会における人間関係が、法的形式を通じて表現されなければならないと主張します。
第一章 法的主体の一般的定義
パシュカーニスは、法的主体を、法的関係の主体として定義します。彼は、法的主体が、商品経済における交換関係から生じる抽象的な存在であることを明らかにします。
第二章 法的関係
パシュカーニスは、法的関係を、法的主体間の権利義務関係として定義します。彼は、法的関係が、商品交換における等価交換の原則に基づいていることを指摘します。
第三章 法的義務と法的権利。法的制裁
パシュカーニスは、法的義務と法的権利を、法的関係における主体の地位を規定するものとして捉えます。彼は、法的制裁が、法的義務の違反に対する法的反応であることを明らかにします。
第四章 私法と公法。法的形態の展開における諸段階
パシュカーニスは、私法と公法の区別を、商品経済の発展段階に対応させて説明します。彼は、私法が商品交換の法的形式を規定するのに対し、公法は国家権力の法的形式を規定すると主張します。
第二部 法の一般理論の根本問題
この部では、パシュカーニスは、法の起源、国家と法の関係、法の階級性といった、法理論における根本的な問題を考察します。
第一章 法の目的論的解釈
パシュカーニスは、法を特定の目的を達成するための手段として捉える、目的論的な法解釈を批判します。彼は、法は社会関係の物質的な条件によって規定されると主張します。
第二章 国家と法の関係の問題
パシュカーニスは、国家と法を不可分の関係にあると捉えます。彼は、国家が階級支配の道具であると同時に、法によってその支配を正当化していると主張します。
第三章 法の階級性
パシュカーニスは、法は支配階級の意志を反映したものであると主張します。彼は、法が階級対立を隠蔽し、支配階級の利益を守るために機能すると指摘します。
結論
パシュカーニスは、法は永遠不変のものではなく、社会の歴史的な発展とともに変化すると主張します。彼は、共産主義社会では、階級対立が解消されるため、法もまた消滅すると予測します。