バタイユの呪われた部分を読んだ後に読むべき本
ジョルジュ・バタイユ – 至高性
バタイユの『呪われた部分』は、読者に多くの課題を突きつけます。それは、過剰と浪費、エロスと死、聖なるものと冒涜といった、西洋の伝統的な思考様式に挑戦するようなテーマ群を扱っているからです。バタイユは、人間の経験におけるこれらの「呪われた」側面を探求し、合理性や有用性の枠組みを超えた世界へと読者を誘います。
『至高性』は、そのようなバタイユの思考の核心にさらに深く迫る作品と言えるでしょう。『呪われた部分』において断片的に示唆されているに留まる「至高性」という概念が、『至高性』ではより体系的に論じられています。バタイユは、人間存在の根底にある矛盾、すなわち有限な存在である人間が無限なもの(至高性)へと向かう欲望を抱いているという矛盾を明らかにしようと試みます。
『呪われた部分』を読了後、『至高性』を読むことで、バタイユの思想の全体像をより明確に把握することができるでしょう。それは、バタイユが展開する壮大な思考の旅路を辿るための、もう一つの重要な羅針盤となるはずです。