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バタイユの呪われた部分の仕組み

## バタイユの呪われた部分の仕組み

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過剰性と浪費

バタイユによれば、太陽エネルギーの流入によって、生物は自己保存に必要な量を超えた過剰なエネルギーを獲得します。この過剰なエネルギーこそが、バタイユが「呪われた部分」と呼ぶものです。生物はこの過剰なエネルギーを、成長、繁殖、そして最終的には死によって消費します。

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経済活動と呪われた部分

人間社会においても、この過剰なエネルギーは経済活動を通じて現れます。生産活動を通じて得られた富は、必ずしも生存に必要なものだけに費やされるわけではありません。バタイユは、戦争、宗教儀式、芸術といった非生産的な活動こそが、過剰なエネルギーを消費するための重要な手段であると主張します。これらの活動は、一見無駄に見えますが、社会全体の均衡を保つためには不可欠な役割を担っていると言えるでしょう。

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聖なるものと呪われた部分

バタイユは、この過剰なエネルギーと、人間が伝統的に「聖なるもの」とみなしてきた領域との間に密接な関係を見出します。「聖なるもの」とは、日常的な世界を超越した、畏怖や魅惑の対象となるものを指します。バタイユによれば、「聖なるもの」は、過剰なエネルギーの持つ危険性と魅力を体現していると言えるでしょう。

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エロスと死

過剰なエネルギーの消費は、エロス(性的な衝動)と死の欲動という二つの極端な形で現れます。エロスは、新たな生命を生み出すことによってエネルギーを消費する一方で、死は究極的なエネルギーの解放を意味します。バタイユは、この二つの欲動こそが、人間の根源的なエネルギーのあり方を示していると主張します。

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読書意欲が高いうちに読むと理解度が高まります。

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