## バタイユの呪われた部分の世界
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太陽とエロティシズム
バタイユにとって、太陽は盲目的なエネルギーの源泉であり、生と死、創造と破壊のサイクルを司る力です。一方、エロティシズムは、この太陽のエネルギーと深く結びついています。それは、人間の肉体的な限界を超越させ、太陽のエネルギーへと回帰させる力を持つからです。
バタイユは、人間の文明が、この太陽のエネルギーを生産的な活動へと昇華させることで成り立っていると見なします。しかし、この昇華は同時に、人間を太陽のエネルギーから切り離し、死へと向かわせるものでもあります。
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浪費と犠牲
バタイユは、太陽の過剰なエネルギーを消費するために、人間は「浪費」と「犠牲」という行為を行うと主張します。浪費とは、生産性とは無関係にエネルギーを消費する行為、例えば、祭りや贅沢な消費などが挙げられます。犠牲は、神への捧げ物など、価値あるものを破壊することによってエネルギーを解放する行為です。
バタイユにとって、これらの行為は、人間が太陽のエネルギーと再び繋がることができる、一種の超越的な体験となります。
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呪われた部分
「呪われた部分」とは、太陽の過剰なエネルギー、すなわち理性や有用性によって制御できない、人間の根源的な力のことです。それは、エロティシズム、暴力、死、狂気など、社会的に抑圧されがちな要素を含みます。
バタイユは、「呪われた部分」を直視し、その力と向き合うことこそが、人間の真の解放、すなわち太陽のエネルギーへの回帰に繋がると考えました。