Skip to content Skip to footer

バタイユの呪われた部分に関連する歴史上の事件

## バタイユの呪われた部分に関連する歴史上の事件

###

太陽王ルイ14世の浪費と「呪われた部分」

フランス史における太陽王ルイ14世の治世は、絶対王政の象徴であり、同時に莫大な浪費と享楽によっても特徴づけられます。ヴェルサイユ宮殿の建設、宮廷の贅を尽くした生活、度重なる戦争などは、国家財政を圧迫し、民衆の生活を苦しめることになりました。

バタイユは、このようなルイ14世の浪費を「呪われた部分」の概念と関連付けて考察しています。彼によれば、人間社会や経済システムは、常に合理性や生産性だけで動くことはできません。太陽のエネルギーのように、過剰なエネルギー、富、生産物は、何らかの形で「消費」されなければならず、それが浪費や祭祀、戦争といった非合理的で破壊的な行為に現れることがあるというのです。

ルイ14世の浪費は、まさにこの「呪われた部分」の顕現と言えるでしょう。彼は、国家の富を湯水のように使い果たすことで、太陽のように自らの権力と栄光を輝かせようとしました。しかし、その輝きの裏側には、民衆の貧困や社会の歪みといった影の部分が存在していたのです。

###

フランス革命と「呪われた部分」の爆発

1789年に勃発したフランス革命は、それまでの社会秩序を根底から覆すほどの大きな変革をもたらしました。絶対王政は崩壊し、自由、平等、博愛といった新しい価値観が叫ばれるようになりました。

バタイユは、この革命もまた、「呪われた部分」の概念を用いて解釈しています。彼によれば、フランス革命は、長年にわたって抑圧されてきた民衆のエネルギーが、一気に爆発した結果でした。ルイ14世の時代から続く不平等や不合理に対する怒りが、革命という形で噴出したのです。

革命期の恐怖政治や混乱は、まさに「呪われた部分」の持つ破壊的な側面を表していると言えます。しかし、バタイユは、このような破壊的な行為さえも、社会の変革や新たな秩序の創造には必要不可欠なプロセスだと考えていました。

###

20世紀の全体主義と「呪われた部分」の影

20世紀に入ると、世界は二つの世界大戦と冷戦という未曾有の危機に直面します。そして、この時代には、ナチズムやスターリニズムといった全体主義体制が台頭し、多くの人々が犠牲となりました。

バタイユは、これらの全体主義体制にも、「呪われた部分」が深く関わっていると見ていました。彼によれば、全体主義は、人々の不安や不満といった負の感情を利用して大衆を扇動し、国家による完全な支配を実現しようとするシステムです。

ナチスドイツによるユダヤ人虐殺や、スターリンによる粛清などは、まさに「呪われた部分」の持つ暴力的な側面が極限まで肥大化した結果と言えるでしょう。これらの事件は、人間が内包する残虐性や破壊衝動が、いとも簡単に解き放たれてしまう可能性を如実に示しています。

これらの歴史上の出来事は、バタイユの「呪われた部分」という概念が、人間の行動や社会のダイナミズムを理解する上で、いかに重要な視点を与えてくれるのかを示す具体的な事例と言えるでしょう。

Amazonで購入する

Leave a comment

0.0/5