## バタイユのニーチェについての面白さ
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ニーチェ解釈の独自性
バタイユは、ニーチェを
**太陽の
過剰性と破滅の思想家**として捉え直しました。
当時のフランスでは、ニーチェはナチスに利用されたこともあり、
ニヒリズムや権力への意志といった側面が強調されがちでした。
しかしバタイユは、ニーチェの著作における
**ディオニソス的な陶酔、生の肯定、太陽のイメージ**などに注目し、
既存のニーチェ解釈とは一線を画す独自の解釈を展開しました。
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「有用性」を超えた世界
バタイユは、ニーチェが説く「力への意志」を、
単なる物質的・社会的成功を目指すものではなく、
**「有用性」を超えた過剰なエネルギーの噴出**として解釈しました。
それは、消費や生産といった合理的な論理を超えた、
**祭りやエロス、死といった非合理的な領域**においてこそ
真に発揮されるものだと考えたのです。
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バタイユ自身の思想との関連性
バタイユは、ニーチェの思想を
自身の思想である**「内的体験」「消費社会批判」「エロスと死の考察」**
などと結びつけながら展開していきました。
例えば、ニーチェの「永劫回帰」の概念を
「有限な生の限界を超越しようとする人間の欲望」と結びつけたり、
「力への意志」を
「抑圧された欲望の爆発」として捉え直したりしています。
このように、バタイユはニーチェの思想を
単に解釈するだけでなく、
自らの思想の根拠としても積極的に利用していた点が
大きな特徴と言えるでしょう。
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