## バクーニンの神と国家と時間
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時間
ミハイル・バクーニンの主著『神と国家』では、時間に対する直接的な言及は多くありません。 しかし、バクーニンが論じる社会進化論や革命論、歴史観などは、時間という概念と密接に関わっています。
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社会進化と時間
バクーニンは、社会が原始的な状態からより進歩した状態へと進化していくという社会進化論的な見方を示しています。 彼は、人間社会が宗教や国家といった権威によって抑圧されてきた歴史を持つとし、これらの権威からの解放を通じて、真の自由と平等を実現する無政府主義社会が到来すると主張しました。 このような社会進化の過程は、当然ながら時間の中で進行していくものです。
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革命と時間
バクーニンは、既存の権威を破壊し、新しい社会を創造するためには、革命が不可欠であると主張しました。 革命は、ある瞬間における断絶であり、社会構造を根本的に変革する出来事です。 つまり、革命は時間軸上における特異点と捉えることができます。 バクーニンは、革命後の社会が徐々に理想的な状態へと発展していくと考えており、ここでも時間経過が重要な要素となっています。
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歴史と時間
バクーニンは、歴史を人間の自由への闘争として捉えていました。 彼は、歴史を通じて、国家や宗教といった権威が人々を支配し、搾取してきたと主張します。 バクーニンにとって、歴史は循環的なものではなく、進歩的なものでした。 彼は、過去の過ちから学び、より良い未来を創造することができると信じていました。 このように、バクーニンの歴史観においても、時間は直線的に進歩していくものとして捉えられています。