ハロッドの動態経済学序説を面白く読む方法
ハロッドの思考をたどり、謎解きを楽しむように読む
「動態経済学」と聞いて、難解で退屈なイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし、ハロッドの「動態経済学序説」は、経済が成長していくメカニズムを、まるでパズルを解くように、論理的に組み立てていく面白さに満ちています。
前提となる古典派経済学の知識を整理する
ハロッドは、古典派経済学を批判的に継承しながら、独自の理論を展開していきます。そのため、古典派経済学、特にリカードやケインズの理論について、ある程度の知識を持っていると、ハロッドの主張がより鮮明に浮かび上がってきます。
数式の意味を理解し、経済学的イメージと結びつける
「動態経済学序説」には、数式が多く登場します。しかし、数式そのものに囚われるのではなく、それが表す経済学的な意味を読み解くことが重要です。数式は、ハロッドの論理を正確に表現するためのツールに過ぎません。数式の背後にある経済学的なイメージを掴むことで、ハロッドの思考をより深く理解することができます。
現実の経済と照らし合わせながら、理論の限界と可能性を探る
ハロッドの理論は、現実の経済を単純化したモデルに基づいています。理論の限界を理解した上で、現実の経済現象を分析する視点を養うことが重要です。
他の経済学者との比較を通して、ハロッドの独創性を再認識する
ハロッドの理論は、後の経済学者たちに多大な影響を与えました。ドーマーやソロヴィなどの経済成長論、マンデルなどの資本主義分析、カレツキなどの景気循環論など、幅広い分野でハロッドのアイデアが応用されています。他の経済学者との比較を通して、ハロッドの理論の独創性と普遍性を再認識することができます。