## ハロッドの動態経済学序説に匹敵する本
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ケインズ「雇用、利子および貨幣の一般理論」
**出版**: 1936年
**概要**:
* 世界恐慌時の長期不況の解決策として、有効需要の概念を提唱し、政府による積極的な財政政策の必要性を主張しました。
* 古典派経済学の均衡理論を批判し、市場メカニズムが自動的に完全雇用をもたらすとは限らないことを論じました。
* 乗数効果、流動性選好、期待などの概念を用いて、マクロ経済の動学分析の基礎を築きました。
**影響**:
* マクロ経済学という新しい学問分野の成立に大きく貢献しました。
* 世界恐慌後の資本主義経済の政策運営に多大な影響を与え、ケインズ革命と呼ばれる大きな変革をもたらしました。
* その後、新古典派総合など、様々な経済学派に影響を与え、現代経済学においても重要な古典としての地位を確立しています。
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サムエルソン「経済分析の基礎」
**出版**: 1947年
**概要**:
* 数学的手法を駆使して経済学を体系的に分析した画期的な書です。
* 静学分析と動態分析を明確に区別し、比較静学、均衡の安定性、動学的最適化などの概念を導入しました。
* ミクロ経済学とマクロ経済学の両方に適用可能な分析の枠組みを提供しました。
**影響**:
* 経済学における数学的分析の普及に大きく貢献し、現代経済学の方法論に革命をもたらしました。
* その後の経済学研究に多大な影響を与え、数多くの経済学者が本書を教科書として学びました。
* 経済学の理論的厳密性を高め、科学としての発展に大きく寄与しました。
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フリードマン「資本主義と自由」
**出版**: 1962年
**概要**:
* ケインズ経済学が主流であった時代に、市場メカニズムの優位性と個人の自由を強く主張した書です。
* 政府の役割を最小限に抑え、自由競争を促進することが経済成長と個人の自由を実現すると論じました。
* マネタリズムと呼ばれる経済学派を代表する著作として知られています。
**影響**:
* 1970年代以降の新自由主義経済学の台頭を促し、レーガン政権やサッチャー政権などの経済政策に大きな影響を与えました。
* 政府の役割や市場メカニズムのあり方について、世界中で活発な議論を巻き起こしました。
* 経済学にとどまらず、政治思想や社会思想にも大きな影響を与えました。