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ハリントンのオシアナと時間

## ハリントンのオシアナと時間

ハリントンの「オシアナ」における時間の概念

トーマス・モアの「ユートピア」と同様、ジェームズ・ハリントンの「オシアナ」(1656年)もまた、理想的な共和国を描いた作品であり、時間との関係において独自の視点を提示しています。

「オシアナ」における時間表現

「オシアナ」は、架空の歴史という形で書かれており、具体的な日付や年号はほとんど出てきません。物語は、オシアナ共和国の建国者であるオルファウス・メガラが、イングランド内戦後の混乱を収束させるために現れるところから始まります。その後、メガラの死後も物語は続き、オシアナの政治体制がどのように発展していくのかが描かれます。

ハリントンは、「オシアナ」の中で、時間経過を明確に示す代わりに、政治体制の変遷や法律の制定、人物たちの議論といった出来事を通して、時間の流れを暗示的に表現しています。

「オシアナ」と歴史

「オシアナ」は、具体的な時間軸を曖昧にすることで、特定の時代や場所に限定されない、普遍的な政治体制の理想像を提示しようと試みています。

ハリントンは、古代ローマやヴェネツィアなど、歴史上の共和制を研究し、「オシアナ」の政治体制のモデルとしていました。彼は歴史を循環的なものと捉え、過去の栄光と失敗から学び、より良い社会を築くことができると信じていました。

結論

ハリントンは、「オシアナ」において、具体的な時間軸を曖昧にすることで、永遠に続く理想的な共和国というユートピアを提示しようと試みました。

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