## ハッブルの銀河の彼方
ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド (HUDF) について
ハッブル・ウルトラ・ディープ・フィールド (HUDF) は、ろ座の方向にある、宇宙の狭い領域をハッブル宇宙望遠鏡が撮影した画像です。2003年9月3日から2004年1月16日にかけて、合計11.3日間かけて露光されました。
HUDF は、可視光で撮影された宇宙の画像としては、最も深い領域を捉えており、約130億光年彼方にある銀河も含まれています。これは、宇宙誕生からわずか8億年後の姿を見ていることになります。
HUDF が明らかにしたもの
HUDF は、初期宇宙における銀河の形成と進化に関する貴重な情報を提供してくれました。
* **初期の銀河は小さく歪な形をしている:** HUDF で観測された初期の銀河は、現在の渦巻銀河や楕円銀河とは異なり、小さく歪な形をしています。これは、銀河がまだ形成過程にあり、互いに衝突・合体を繰り返していたためと考えられています。
* **銀河の数は時間とともに変化する:** HUDF は、宇宙の膨張に伴い、銀河の数が時間とともに変化してきたことを示唆しています。初期宇宙には、現在よりも多くの銀河が存在していましたが、それらが衝突・合体を繰り返すことで、現在の大きな銀河へと成長していったと考えられています。
HUDF の限界
HUDF は、宇宙の深い領域を観測するための強力なツールですが、いくつかの限界も存在します。
* **観測可能な波長が限られている:** HUDF は、可視光と近赤外線で観測を行っていますが、他の波長では観測できません。そのため、塵に隠された銀河や非常に遠方の銀河を観測することはできません。
* **観測範囲が狭い:** HUDF は、宇宙のごく一部しか観測していません。そのため、宇宙全体を代表しているとは限りません。
HUDF の観測データは、宇宙の進化を理解するための重要な手がかりを提供しています。しかし、さらなる謎を解き明かすためには、より高性能な望遠鏡による観測や、理論的な研究が不可欠です。