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ハイデガーの存在と時間の構成

## ハイデガーの存在と時間の構成

第一部 Daseinの分析論的準備

第一部は、「存在の意味」の問いを準備するための基礎づけにあてられています。ハイデガーは、伝統的な存在論が「存在」の意味を問い忘れ、存在者を存在者として規定する仕方、すなわち存在論的規定に終始してきたと批判します。そして、「存在」の意味を問うためには、まず何よりも「存在理解」を持つ存在者、すなわち人間存在を分析しなければならないと主張します。

ハイデガーは、人間存在を「現存在(Dasein)」と呼び、その特徴として、

* 「世界内存在」であること
* 「被投性」を持つこと
* 「常にすでに」世界に「解き放たれて」いること

などを挙げます。

第二部 Daseinと時間性

第二部では、第一部で分析された現存在の構造が、時間性という視点から解明されます。ハイデガーは、現存在を規定する根本的な構造として「時間性」を挙げ、時間性を「未来」・「過去」・「現在」という時間的概念ではなく、現存在のあり方そのものとして捉え直します。

未来への「先駆」
:現存在は、常に未来の可能性へと先駆し、自己を「企投」として世界の中に投げ出しています。

過去への「被投性」
:現存在は、常にすでに過去から投げ出されており、自分の力ではどうにもならない「運命」を背負っています。

現在への「沈淪」
:現存在は、日常的な事柄に埋没し、「世間」に流されることで、本来的な自己を見失い、「非本来性」に陥ります。

ハイデガーは、時間性を現存在の根本構造として分析することで、「存在」の問いへの道を切り開こうとします。

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