ノージックのアナーキー・国家・ユートピアの入力と出力
ノジッックが本書の議論で用いた「入力」は何ですか?
ロバート・ノジッックの「アナーキー・国家・ユートピア」は、ジョン・ロールズの「正義論」に対する批判的応答として、国家の正当化に関するリバタリアニズムの立場を提示したものです。
ノジッックは、個人の権利を「侵害不可能」なものとして捉え、「個人が所有するものは、他の人々に与えられたものも含めて、自分の好きなように使える権利を有する」というロック的な自然権論を前提としています。
この前提に基づき、ノジッックは、個人の権利を最大限に尊重する最小国家以上の国家は正当化できないと主張します。
ノジッックの議論の「出力」(結論)は何ですか?
ノジッックは、最小国家、すなわち、暴力、窃盗、詐欺からの保護と契約の履行に限って、強制力を行使する権利を独占的に有する国家のみが正当化されると主張します。
ノジッックは、「アナーキー・国家・ユートピア」において、最小国家を超えるいかなる国家も、個人の権利を侵害することなく正当化することはできないと結論づけます。