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ニーブールのローマ史の案内

## ニーブールのローマ史の案内

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ニーブールのローマ史とは

バルトルト・ゲオルク・ニーブール(Barthold Georg Niebuhr、1776-1831)は、ドイツの歴史家、古典文献学者、政治家です。彼の代表作『ローマ史』(Römische Geschichte)は、古代ローマ史研究に革新をもたらした記念碑的な著作として知られています。

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ニーブールのローマ史の特徴

ニーブールの『ローマ史』は、従来のローマ史研究とは一線を画す、以下の特徴を持っています。

* **文献批判に基づいた厳密な史料批判**: ニーブールは、古代ローマに関する文献資料に対して徹底的な批判的検討を加え、その信憑性を厳密に吟味しました。特に、伝説や伝承に彩られた王政ローマ期の史料に対しては、その歴史的価値を疑い、史実と伝説とを峻別しようとしました。
* **比較言語学や比較神話学の導入**: ニーブールは、当時の新興学問であった比較言語学や比較神話学の手法をローマ史研究に導入しました。これは、インド・ヨーロッパ語族の言語や神話の比較研究を通じて、古代ローマ人の起源や文化、社会構造を解明しようとする試みでした。
* **ローマ史を「民族の物語」として捉える視点**: ニーブールは、ローマ史を単なる政治的事件の羅列としてではなく、ローマ人という民族の成長と発展の物語として捉えました。彼は、ローマ人の国家形成、社会構造、宗教観、法律、慣習などを分析し、ローマ文明の特質を明らかにしようとしました。

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ローマ史の内容と構成

『ローマ史』は、以下の3つの部分から構成されています。

* **第1巻・第2巻**: 王政ローマの成立から共和政ローマ初期(紀元前753年~紀元前264年)までの歴史を扱っています。
* **第3巻**: ピュロス戦争から第一次ポエニ戦争勃発前夜(紀元前280年~紀元前264年)までの歴史を扱っています。

ニーブールは、共和政ローマ初期までの歴史を叙述しただけで、志半ばで亡くなりました。

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ニーブールのローマ史の影響

ニーブールの『ローマ史』は、古代ローマ史研究に多大な影響を与え、その後のローマ史研究の方向性を決定づけました。彼の厳密な史料批判と革新的な研究方法は、多くの歴史家たちに受け継がれ、近代的なローマ史学の礎となりました。

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